DHstyle 2019年4月号 特集2
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特集2 米国と日本の歯科衛生士は、ここが違う!69Special Feature 2ければなりません。また、各臨床試験には、患者の必須条件が定められています。たとえば、CDCAでは口腔を4分割して試験を行う1顎を選びます。その1顎には6〜8歯の永久歯があり、そのうちの12歯面に歯肉縁下歯石があること、さらにそのうち8歯面は臼歯部(小臼歯または大臼歯)にあり、うち5つは臼歯部の隣接面にあること、少なくとも3つは隣接歯がある大臼歯部の近心または遠心にあることが求められ、1歯面だけは隣接歯がなくてもよいとされています。ちなみに、第3大臼歯が半埋伏している患者は認められません4)。 臨床試験では、SRPを行います。DHプログラムなどで麻酔の実習を合格している受験者は、自ら患者に麻酔をします。治療が終わると患者は別室に移され、試験官による細かいチェックが行われます。この臨床試験では、おもに患者選択、歯石除去、プラークやステインの除去、歯周ポケット測定、そして麻酔による疼痛管理などが確認され、75%以上で合格となります。ースタイプを探します。ケースタイプは表1のように、0(健康)、1(歯肉炎)、2(軽度の歯周炎)、3(中度の歯周炎)、4(重度の歯周炎)、5(侵襲性歯周炎や若年性歯周炎など)と分類されます。6点法でプロービングポケットデプス(PPD)を計測し、歯肉縁下歯石がいくつあるのかを調べたうえで、患者を選ばなければなりません。このスクリーニングにより、患者の歯肉炎や歯周炎などのタイプを理解し、歯石のある場所を的確に確認できるようになることが理想とされます。そして、歯の形態や病変を正確に理解し、効果的なScaling and Root Planing(SRP)ができるように厳しく指導されます。臨床試験 米国の臨床試験は、現在5つの試験機関(CITA、CRDTS、CDCA、SRTA、WREB)があり、州ごとに管轄が異なります。願書の提出や臨床試験後のコンピュータ試験(筆記試験)の有無は、それぞれの試験機関によって多少違いがあります。 臨床試験には、各自で患者を連れて行かなケースタイププロービングポケットデプス(㎜)プロービング時の出血の有無歯槽骨吸収度(%)動揺度(グレード)根分岐部病変(グレード)アタッチメントレベル(㎜)目で確認できる炎症0:健康0〜3なし0なしなし0なし1:歯肉炎0〜4あり0なしなし0あり(局所または全体的に)2:軽度の歯周炎4〜510Ⅰ11〜23:中度の歯周炎5〜633ⅠとⅡ1と23〜44:重度の歯周炎6以上33以上Ⅰ、ⅡまたはⅢ1、2、3、または45以上5:侵襲性歯周炎や若年性歯周炎など6以上33以上Ⅰ、ⅡまたはⅢ1、2、3、または45以上表❶ 歯周病のケースタイプ:臨床的基準(健康、歯肉炎、軽度・中度・重度・侵襲性歯周炎など)(参考文献3)より引用改変)

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