DHstyle 2019年4月号 特集2
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図❽ 自分専用のマイクロスコープす。歯周病の再発を防ぐためには、SRP後のPeriodontal Maintenance(メインテナンス)も欠かせないからです。経験上、こうした場合はより多くの患者情報を収集すると治療効果が上がると考えており、常用薬や全身疾患に加え、普段の食生活や生活習慣まで、なるべく多くの情報を集めて患者のニーズをあきらかにすることを心がけています。 前述のように、米国にはさまざまな人種の患者がいるため、食生活だけでなくCultural Dierence(文化の相違)を理解することも必要です。今後、外国人の雇用が増えると予想される日本でも、 文化の相違への理解が必要になってくるでしょう。 米国の歯科医院は、一般歯科医院、歯周病専門歯科医院、小児歯科医院、インプラント専門歯科医院、矯正歯科医院など、それぞれの分野に分かれています。重度の歯周病患者などへは、必要であればPeriodontist(歯周病専門医)に紹介状を書く場合もあります。また、フラップオペレーションの可能性があったり、メインテナンスでも予後がよくなかったりする患者には、その旨説明して紹介状を渡しています。 米国には、日本のような国民皆保険制度はありません。Medicare(高齢者向け医療保険)、Medicaid(低所得者向け医療補助)、Preferred Provider Organization(PPO:優先医療給付機構)、Health Maintenance Organization(HMO:保険維持機構)など、種類もさまざまです。病院ごとに取り扱っている保険が異なるため、保険の種類によって受診できる病院も変わります。 また、正社員でも会社から提供される健康保険に歯科保険と眼科保険が含まれていない場合や、患者自ら歯科保険を購入したり、自費でスケーリングに来院したりする場合もあり、患者のニーズに合った治療を行うため、回数や金額に制限が生じることもあります。 アセスメントの際、それぞれの患者のニーズに合った診断を行い、治療計画を立案するためには、これらのさまざまな事情を考慮することが必要です。患者ノートで情報共有 再評価を行ううえで重要な情報の1つが、日々の治療で記録する患者ノート(図9)です。これは、他の歯科衛生士がテンプ(派遣)で来たときなど、どの術者が見てもわかりやすいように要点をまとめたものでなければなりません。歯肉の形や色などの状態、歯垢や歯石の付着具合、どの器具を使用したか、PPD米国の保険・医療事情74DHstyle 2019 04

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