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Q&A
経営 (2012年5月号)
Q 患者アンケートの活用
●当院では先日スタッフが数人入れ替わったこともあり、改めて今後進む方向性を検討しています。患者さんが当院に対して、何を期待しているのかを考える際に、患者さんに対して事前にアンケートを行おうと思いますが、どういったことをポイントとして考えればよいでしょうか。
──愛媛県:F歯科クリニック
A
  歯科医院の新たな方向性は、今後の先生の重点方針であるといえます。従って、先生が今後取るべき重点方針に対して、患者さんの同意を得ることや、評価を聞くということは、地域に根ざして診療を行っていくうえでも、非常に大切な資料に繋がるものです。そして、患者さんが歯科医院に対して期待しているものが何かを理解するために、アンケートにより意見を集めることは大変効果があると思います。
  まず、アンケートの方法として、患者さんが最も手軽に回答しやすいのは、選択式の方法です。この方法は、設定する質問項目に関して、「満足」「やや満足」、「ふつう」、「やや不満」、「不満」といった、1〜5段階程度の選択肢を設けて選んでもらう形式です。選択式によって回答を得ようとする場合、患者さんは比較的高評価をつけようとしますから、「満足」や「やや満足」とする回答が多く、アンケート結果としては、よい結果が出る傾向があります。
  また、スタッフに結果を公表する際にも、評価結果として比較的わかりやすいかたちで高い評価を得られますから、患者さんとの良好なかかわりを確認しやすい材料です。アンケート終了時には集計を取り、それぞれの質問項目に対する結果をフィードバックして、スタッフのモチベーションの維持に繋げることも可能です。
  一方、患者さんそれぞれがもつ、独自の意見を集めようとするのであれば、自由に記述できる形式のものがよいと思います。設問ごとに、1〜2行程度で書けるスペースを取り、率直な意見を書いてもらうようにします。この場合、あまり質問項目が多くならないように注意します。質問項目を絞り、患者さんが歯科医院に対する意見を、面倒がらずにしっかりと記入してもらえる程度のボリュームとします。患者さんに自由に記入してもらうようにすると、患者さんの意識や要望、あるいは歯科医院に対する感想などをより具体的に集めることができる点がメリットでしょう。
  記入いただいた内容のなかで、歯科医院として対応できる内容のものや、改善案として取り入れたものに関しては、待合室の掲示板等に掲載して、患者さんの意見に対して積極的に対応している点を伝えるようにします。
  いずれにしても、アンケートで集めた意見や内容を、患者さん及びスタッフに対して十分にフィードバックすることが大切です。寄せられた貴重な意見を、十分に活用することを心がけてください。
  歯科医院の目指す方向性を確認するために、例えば診療時間の延長や、診療曜日の拡大等、患者さんとの直接の会話によって、意向を聞きたい場合は、アンケート形式によらず、待合室等に「患者の皆様のご意見をお聞かせください」として掲示するのもよいと思います。診療の合間に、患者さんとコミュニケーションをとるきっかけ作りにもできますし、率直に答えをもらうことで患者さんの意思を確認することができます。
  地域医療に重要な位置を占める歯科医院ですが、いろいろなかたちで、常に患者さんの意向を掴み、医院経営に反映させることが重要なことと思います。

門田 亮デンタル・マネジメント・コンサルティング

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