第10回日本包括歯科臨床学会記念学術大会開催される

 第10回日本包括歯科臨床学会記念学術大会(大会長:上田秀朗氏、実行委員長:筒井祐介氏・ともに福岡県開業)が、9月17日㈯、18日㈰、北九州国際会議場(福岡県北九州市)とオンラインのハイブリッド形式で開催された(現地参加者:128名、Web参加者:429名)。
 第10回の節目に加え、本学会の前身となるJACDが創立30周年、咬合療法研究会が創立20周年を迎え、記念学術大会に相応しい著名な招待演者を多数招いたプログラムが組まれた。
 JACDセッション「ペリオドンディストが目指す究極の治療とは?」では、樋口琢善氏(福岡県開業)が重度歯周疾患における骨欠損改善のキーワードとして、歯根膜、血餅、フラップデザイン、成長因子の4つを挙げて、歯周組織再生療法を行った症例を供覧した。
 白石和仁氏(福岡県開業)は、歯周組織再生療法の急速な進歩により以前は抜歯だった歯がいまは治せるようになったと抜歯基準の変化について述べ、骨膜付きの結合組織を用いた歯周組織再生療法をはじめとする多彩な術式を解説した。
 宮本泰和氏(京都府開業)は、40年にわたる歯科医師のキャリアとともに1980年代から現在までの歯周治療の変遷を振り返った。さらに垂直性骨欠損、根分岐部病変、歯肉退縮に対し、エムドゲインを用いた歯周組織再生療法の適応症例を披露した。

 コデンタルセッションでは、「健やかな咬合育成を目指して~DHに診てほしい事、できる事~」をテーマに、4題の講演が行われた。
 増田純一氏(佐賀県開業:写真)は、咬合にかかわる歯槽堤の大きさは無歯期の舌の使い方によって変わるため、歯科衛生士は早期に子どもの口腔内の異変に気づき、指導していかなければならないと述べた。
 続けて筒井照子氏(福岡県開業)は、スマートフォンの使用時に前傾姿勢となり、それに伴って上口唇で下口唇を巻き込む患者が増えていると指摘。時代に沿った新しい疾患であると警鐘を鳴らした。

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