レトロモラーパッド

下顎歯槽堤後端にある粘膜の隆起。前方は線維性組織が豊富で硬く、後方は腺組織が豊富で軟らかい。レトロモラーパッドは開閉口時に形態が変化し、とくに軟らかい後方部分は開口時には翼突下顎ヒダに引かれて垂直に立ち上がり、閉口時には舌側に倒れる。吸着下顎総義歯においては、義歯床後方の封鎖に関与し、閉口時の形態のレトロモラーパッドを義歯床で覆う必要がある。そのため、概形印象、精密印象共に閉口印象で行い、印象圧で変形しないように注意が必要である。

>>レトロモラーパッドに関する書籍一覧はこちら

デンタルダイヤモンド2023年2月号
一覧へ戻る