Dd診断力てすと『歯肉が腫れて、歯が磨けません』

 

黒柳範雄 Norio KUROYANAGI

碧南市民病院 歯科口腔外科 口腔ケアセンター 〒447-8502 愛知県碧南市平和町3-6

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2022年8月号より、「歯肉が腫れて、歯が磨けません」についてです。

図❶ 初診時の口腔内写真。上下顎前歯から臼歯にみられる歯肉の腫脹

図❷ 同、パノラマX線写真

患者:79歳、女性
主訴:歯肉の腫脹
既往歴:高血圧症、高脂血症(カルシウム拮抗薬や抗てんかん薬、免疫抑制薬は内服していない)。
現病歴:2021年1月、両側上下顎歯肉の無痛性腫脹を自覚し、歯磨きしにくくなったことを苦にして近在歯科医院を受診した。同院にて歯周治療を受けるも奏効せず、歯肉の腫脹が進行したため、1年後に当科紹介となり受診した。
現症全身所見;体格中等度、栄養状態は良好であった。
口腔外所見;顎下腺や頸部リンパ節の腫脹は認められなかった。
口腔内所見;両側上下顎歯肉は全体的に腫脹しており、とくに臼歯部においては歯冠部を覆い、さらに水平方向への著明な腫脹を認めた(図1)。舌側や口蓋側ではやや浮腫様腫脹で、唇頰側は比較的硬い歯肉肥厚であった。ごく軽度の歯肉発赤をみるも、多くは正常に近い色調であった。口腔清掃は困難で、歯周病の併発もあって歯周ポケットは10㎜を超え、易出血性を認めた。
画像所見:パノラマX線所見では、残存歯の周囲歯槽骨は比較的吸収なく保たれていた(図2)。CT所見では、腫瘍性病変や骨の増大は認めなかった。
臨床検査所見:白血球数 6,700/μL、CRP 0,02mg/dL、BUN 14.0mg/dL、Cre 0.66mg/dL。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 外骨症
② 開花性セメント質 骨異形成症
③ IgG4関連疾患
④ 薬剤関連歯肉肥大症

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2022年8月号に掲載中!/

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