歯医者の診断力テスト『舌尖部下面の腫瘤』

末松基生 Motoo SUEMATSU 
明和病院 歯科口腔外科 〒663-8186 兵庫県西宮市上鳴尾町4-31

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2023年2月号より、「舌尖部下面の腫瘤」についてです。

ゼネラルデンタルカタログ

図❶ 初診時と術前の口腔内写真
図❷ MRI、T2強調像
  • 患者:78歳、男性
  • 主訴:舌尖部下面の腫瘤
  • 既往歴:悪性リンパ腫、脳梗塞、高血圧症、脂質異常症
  • 家族歴:特記事項なし
  • 現病歴:初診1ヵ月前に舌尖部下面に腫瘤を自覚した。自発痛や接触痛はなく様子をみていたが改善しないため近歯科医を受診し、精査目的で当科を紹介受診した。自覚して以後はサイズに変化はないという。
  • 現症口腔外所見;体格中等度。顎下・頸部リンパ節の腫大は認めなかった。
  • 口腔内所見:舌尖部下面左側の粘膜下に、径15mmのドーム状隆起性腫瘤を認めた。境界明瞭で表面粘膜は平滑、おおむね弾性硬で一部に発赤と波動感を認め、腫瘤基部は可動性であった(図1)。
  • 画像所見:MRI検査にて粘膜と固有舌筋層の中間に境界明瞭な球形病変を認め、T1強調像で低信号、T2強調像でやや不均一な高信号を呈していた(図2)。
  • 血液検査所見:末梢血液像 基準値内、LD 225 U/L、sIL-2R 338 U/mL

 Q 最も疑われる疾患名は?

① 粘液囊胞(Blandin-Nuhn囊胞)
② 悪性リンパ腫
③ 神経鞘腫
④ 唾液腺腫瘍

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2023年2月号に掲載中!/

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