Dd診断力てすと『がん患者の周術期口腔機能管理』

栗田 浩 Hiroshi KURITA
信州大学医学部 歯科口腔外科学教室 〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2022年12月号より、「がん患者の周術期口腔機能管理」についてです。

図❶ 初診時のパノラマX線写真

患者:58歳、男性
主訴:がん治療前の口腔機能管理依頼(紹介)
既往歴:糖尿病(内服薬あり、コントロール良好)、高血圧症(内服薬あり、コントロール良好)
家族歴:特記事項なし
現病歴:年に一度の健康診断で肺病変を指摘され、精密検査を受けたところ、非小細胞性肺がん(ステージIIB)と診断された。2週間後に入院し、肺葉切除術および薬物療法(殺細胞性抗がん薬治療)を受ける予定となった。周術期等口腔機能管理の一環として、かかりつけ歯科医院での入院前の精査加療を目的に紹介受診した。
現症:全身状態は良好で、呼吸苦等は認めない。手術前の全身検査でも異常は指摘されなかった。口腔外所見では特記すべき事項なし。口腔内衛生状態はほぼ良好で、歯石の付着もほとんどみられず、歯肉の発赤、腫脹なども認めなかった。歯周基本検査でも、4mmを越える歯周ポケットは認めなかった。は半埋伏の状態で、ときどき腫れることがあり、3ヵ月ほど前にも腫脹・疼痛があり、局所洗浄および抗菌薬の投与にて症状は消失していた。右上顎臼歯部に軽度冷水痛、自発痛を認めた。
画像検査所見;パノラマX線写真(図1)では、は不完全萌出の状態で、歯冠周囲にX線透過像を認める。は修復物が装着されているが、歯冠遠心部にX線透過像を認める。全顎的に、歯槽骨の軽度水平性骨吸収を認める。

Q 入院前に行っておくべき歯科治療は?

の抜歯
のう蝕治療
③ 口腔衛生指導

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2022年12月号に掲載中!/

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