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Q&A
経営 (2017年2月号)
Q 医院規模縮小の検討
●当院では、勤務医をはじめとして常にスタッフを募集していますが、最近はなかなかスタッフの確保が難しい状況です。来院患者さんは少なくありませんが、現有のスタッフでストレスなく診療を行うため、一日に診療する患者数を抑制する方向へとスタイルを移行しようかと考えています。スタッフの負担が大きいまま無理して診療しても、ミスが生じたり、事故に繋がるおそれもあるため、いまのうちから少しずつ、ゆとりある診療へ変化させていきたいと思っています。その際に、どのような考え方で患者さんに対応していけばよいでしょうか。
──愛知県・D歯科クリニック
A
  歯科医院全体の経営環境が厳しいなか、患者さんをセーブせざるを得ない状況はたいへん苦しいものです。しかし、多くの歯科医院では慢性的にスタッフが不足し、現在勤務するスタッフに対し、多大な負担がかかっていることもまた事実です。患者さんの確保が難しいだけでなく、来院患者さんに対応するスタッフの確保にも、日々頭を悩ませている歯科医院は少なくない状況でしょう。
  若年層の人口がますます減少するなかで、勤務時間が長く、給与賃金などの労働条件的にもあまり高くない医療・福祉分野では、人材確保が非常に難しい状況にあるといえます。
  そうすると、よい人材の確保にも限界があり、おのおのの歯科医院では規模を拡大するどころか、信頼できるスタッフに合わせて規模を抑えていくことも求められます。その際には、経営基盤をしっかりと確立しておく必要があります。自院の考えに沿ってくれる患者さんとの、強固な関係を確保した経営を目指すことが、今後の経営安定に繋がるのです。
  したがって、改めて自院の特徴を患者さんにわかりやすいように明確にし、その特徴に賛同してくれる患者さん、自院で治療を受けたいという患者さんを徹底して診るという方針を確立することです。
  同時に医院の意識が高まれば、来院患者さんの意識も高くなりますから、自費診療も増えてくる傾向になります。その際、インプラントなどの高額な自費診療に関して保証の問題が発生する場合は、一定のルールや条件のもとで、しっかりと医院の方針に追随してもらう関係を構築すべきでしょう。確かな治療説明を受け、妥協のない高い技術に裏打ちされた治療内容であれば、患者さんは納得して費用をかけるものです。当然、自院の治療技術を安売りする必要はなく、大きな自費治療であっても、互いのルールに沿って適正に進めていくことが可能です。
  そして、自院の方針を理解してくれる患者さんが集約されてくると、医院としては患者さんの詳細な情報の収集に全力を注ぐことになります。さらに、収集した患者さんの情報管理を徹底し、患者さんが来院した際に収集した情報にアクセスしやすい仕組みを整えることが大切です。また、スタッフを含めた医院全体の取り組みとして、スタッフの応対マナーにも気を配り、患者さんへの接し方のレベルを上げる取り組みを行います。セミナーなどへの積極的な参加を通じてスタッフの意識を高め、患者さんが心から心地よいと思える空間づくりを進めてください。
  規模縮小の検討は決して消極的なことではなく、診療方針を強く打ち出すことで患者さんとのより強い関係の構築を目指します。患者さん一人に対する内容を充実し、医院と患者さんの双方がより高い意識でかかわるための取り組みと捉えてください。

門田 亮デンタル・マネジメント・コンサルティング

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