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TopQ&A法律 > ホームページ作成における医療広告の規制対象基準(2015年10月号)
Q&A
法律(2015年10月号)
Q ホームページ作成における医療広告の規制対象基準
●医院のホームページを作成しようと思っています。その際、院内や口腔内の写真を使用したいのですが、問題ないでしょうか。
── 静岡県・Y歯科医院
A
  歯科医業等に関する広告(以下、医療広告)は、医療法やその他の規定により制限されています。これに関連し、厚生労働省から「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(医療広告ガイドライン)」が発表されています。以下、医療法と医療広告ガイドラインに沿って説明します。
  医療法の規制対象となる医療広告とは、(1)患者の受診等を誘引する意図があること(誘因性)、(2)医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)、(3)一般人が認知できる状態にあること(認知性)のすべてを満たすものとされています。
  医療機関のホームページについては、「当該病院等の情報を得ようとの目的を有する者が、URLを入力したり、検索サイトで検索した上で、閲覧するもの」であるためにBの要件を欠き、原則として医療広告に該当しないとされています。ただし、「インターネット上のバナー広告、あるいは検索サイト上で、一律『癌治療』を検索文字として検索した際に、スポンサーとして表示されるものや検索サイトの運営会社に対して費用を支払うことによって意図的に検索結果として上位に表示される状態にしたもの(以下、バナー広告等)」については、規制対象の医療広告として取り扱います。
  そしてこの場合、バナー広告等にリンクしている医療機関等のホームページも一体的な関係になるとし、一般人が容易に認知できる状態にあることから、同じく規制対象の医療広告として取り扱われています。
  ホームページが医療法の規制対象となる医療広告に該当する場合、広告が可能とされている事項のみしか掲載できなくなります。もっとも、広告が可能な事項に関しては文字だけでなく、写真やイラスト、映像、音声等による表現も可能です。医療広告ガイドラインにも掲載可能な写真の例として、「病室、談話室の設備の写真、据え置き型医療機器の写真」や、「検査、手術等を含む診療風景の写真」が明記されています。ただし、手術前後の写真については、治療効果は個々の患者の状態等により当然にその結果は異なるものであり、効果に対して誤認を与えるおそれがあることから、手術前後の両方の写真だけでなく、前後どちらか一方の写真であっても掲載できないとされています。
  以上をまとめますと、医療機関のホームページはバナー広告等とリンクしているものを除き、原則として規制対象の医療広告には該当しません。該当する場合、院内の写真掲載は問題ありませんが、口腔内の写真掲載については注意を要します。
  なお、ホームページに関しては、上記の医療広告ガイドラインとは別に、厚生労働省によって2012年9月に作成された「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)」が存在します。ここでは「掲載すべきでない事項」として、「内容が虚偽にわたる、又は客観的事実であることを証明することができないもの」や、「他との比較などにより自らの優良性を示そうとするもの」等が挙げられています。
  また、自由診療を行う医療機関に限定してですが、「ホームページに掲載すべき事項」も挙げられています。医院のホームページ作成時、当該ホームページが医療法の規制対象となる医療広告に該当するか否かにかかわらず、参考になると思われます。

井上雅弘銀座誠和法律事務所

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