歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド

歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド
TopQ&A経営 > スタッフのモチベーションを維持・向上させる(2014年06月号)
Q&A
経営 (2014年06月号)
Q スタッフのモチベーションを維持・向上させる
●当院に勤務するスタッフは、皆真面目に一生懸命業務にあたるのですが、積極的な姿勢が少し弱い部分があり、時にモチベーションの低下を招くことがあるようです。はつらつとした姿で業務にあたってもらうよう、スタッフを鼓舞することもあるのですが、自ら進んで積極的に仕事に取り組んでほしいと願っています。スタッフとはミーティングの場をもつ予定ですが、その際にポイントとなる点をお聞かせください。
──栃木県・M歯科クリニック
A
  普段、仕事に対して真面目に一生懸命に取り組む姿は、医療に携わる者としての高い意識から生じるものであり、非常に好ましいことと思います。
  それでも、毎日多くの患者さんに接するなかで、マンネリ化が生じ、モチベーションの低下が起こることは避けることができないものと思います。
  モチベーションが下がる要因としては、仕事に慣れてしまい、新しいことに触れる機会が減ることにあります。誰しも、仕事を覚える段階では、「1日も早く仕事を覚えたい」「なかなか仕事が覚えられないので焦ってしまう」という極度の緊張と高い意欲がありますが、仕事を覚えるごとに少しずつ意欲も薄れていくものです。
  受付業務では、患者さんの受け入れから、カルテ管理、アポイント管理から会計業務に至るまで、非常に多岐にわたります。また、歯科助手業務は、非常に細かな口腔内の器具・備品を扱うため、繊細な管理を必要としますが、一方で、患者さん1人に対する業務内容としてはある程度同じ作業をするために、いったん仕事を覚えてしまった後には、マンネリ化を引き起こしかねない業務内容でもあります。
  したがって、スタッフのモチベーションの低下を防ぐためには、職種ごとに業務内容を完結させてしまうのではなく、歯科助手から受付業務あるいは、受付業務から歯科助手業務等に触れる機会を作ることも必要でしょう。新しい環境を知ることによって新たな刺激が生まれ、意欲向上に繋がります。
  また、担当する業務をより深く理解するために、セミナーや講習会への参加を促し、実際の臨床現場において、新たに業務の効率化を図る取り組みも大切になってきます。
  他の職種を経験し、お互いの関係性を理解することができると、本来自分が行う業務に対して理解が深まります。数字によって継続的に管理できる仕組みを作り、自らの仕事が医院に密接に関係していることを実感できるようになると、医院内での存在を確認できモチベーションの向上に繋がります。材料薬品の購買頻度はどうなっているか、1回の発注量に変化はないかなど、長期間にわたり数値管理をすることで、医院収入との関連性や、収入に対する経費率の趨勢を理解することができます。
  スタッフにとっては、自分が行う管理が、経営に何らかのかたちでかかわっていることが実感できますし、非常に重要な要素を担っていることがやりがいに繋がることでもあるのです。
  しかしながら、なかなか自分一人で長期にわたって高い意欲をもち続けることは難しいものですから、やはり、周囲のスタッフとの連携を欠かすことはできません。数人から多くても数十人規模の職場ですから、スタッフ同士の人間関係が良好に維持できることがモチベーションを保てるかどうかに大きくかかわるものです。高い意識や強い意欲を肯定できる医院風土とするために、院内の環境づくりには、院長が積極的にかかわる必要があるでしょう。
  高い意識をもち続けたまま日々の仕事を継続できることが理想ですが、スタッフの入れ替わりや業務内容の変化によって、仕事への取り組み方も変化することがあります。院長としては一喜一憂せず、長期的な視点からスタッフを導くことが大切です。

門田 亮デンタル・マネジメント・コンサルティング

歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド
<<経営一覧へ戻る
※過去に制作したものなので、現在の法令と異なる場合がございます。
歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド
歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド