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Q&A
経営 (2014年03月号)
Q 事務管理者の要件
●これまで、専従者である妻が院内の事務管理全般を行っておりましたが、規模も大きくなり、事務作業量が増えてきたことから、スタッフによる事務管理を検討しています。個人事業ゆえに資金や家計のことにもかかわってもらわざるを得ないため、信頼できる人材をみつける必要がありますが、どういった人材を事務管理者に求めればよいでしょうか。
──愛知県・Mデンタルクリニック
A
  歯科医院の規模が大きくなるにつれて、扱うべき日々の経営データが多岐にわたり増えてきます。また、スタッフも増えてくるため、給与や勤怠管理などの他、社会保険事務等も含めた労務管理が必要になることや、資金調達のための金融機関、あるいは、納入業者等利害関係者との折衝など、経理部門、総務部門を問わず対応することになります。院長一人あるいは専従者で対応できたものが、医院規模が大きくなることで非常に煩雑になり、これまでと同じように診療の合間に対応することが不可能な状態になることは致し方のないことでしょう。
  今後も専従者である奥様が事務管理にあたる場合は、新たに採用する事務管理者との業務内容の役割分担を明確にしておく必要がありますが、歯科医院の場合、とくに個人事業の場合は、事業と家計との明確な切り分けが難しく、非常にデリケートな部分にまで踏み入って対応してもらう場合があります。
  付き合いのある他の医院の先生方や、業者関係者等との飲食状況が接待交際費というかたちで表れるほか、時には銀行口座通帳のなかに生活資金の入出金記録が入ってくることがあります。家族のことなど、プライベートを知られてもよいと思える人材でなければ、将来にわたって信頼関係を維持し続けることはできません。
  そこで、収入規模や利益(所得)にもよりますが、事務管理者を置くにあたり、医院組織を法人化して、事業と家計を完全分離することも検討するとよいでしょう。銀行口座等が事業用と個人とそれぞれに分離されますから、管理が明確になることと、奥様と事務管理者との業務の切り分けがしやすくなる利点があります。
  事務管理を任せる人材の必要な要件例を下記に呈示します。
1.誠実な人間性
  仕事の内容が、診療所に関する事務一般だけでなく、院長の家庭内のことにまで関与が及ぶことがあるため、非常に重要な個人情報を扱うことになります。人への接し方や仕事への向き合い方が誠実であることが第一条件です。
2.院長の代弁者としての正確性、折衝力
  事務管理者が表立って先頭に立つ機会は少ないため、自らが前に出ようとする性格や、強力なリーダーシップ力は必要ありませんが、金融機関や納入業者等との折衝時において、院長の代弁者として正確に院長の意図や方針を伝えられる能力が求められます。
3.業務遂行能力
  事務作業としての実績管理や労務管理を行うにあたり、確実に業務を遂行できる能力が必要です。事務管理者の役割は、いま総務的な打ち合わせを終えたかと思えば、次は管理表作成等の経理事務作業、次には院長のスケジュールの管理などの秘書的業務や、採用面接等の人事的なことなど、診療行為以外の非常に広範囲な分野を横断的に処理しなければなりません。ある程度の業務遂行力がなければ務まらない役割でもあります。
  医院経営を行ううえでの重要な部分を、家族ではないまったくの他人に委ねるわけですが、一方で、院長の強い信頼の裏づけがあって両者の関係が成り立つものでもあります。一つ一つの事柄へ真摯に取り組む姿がみられ、院長が真に信頼できると感じられる人物がよいでしょう。

門田 亮デンタル・マネジメント・コンサルティング

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