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Q&A
経営 (2013年4月号)
Q 勤務医の採用
●開業してから、最近では患者さんも増え、医院経営は順調に推移していると思います。チェアーを増やして、より多くの患者さんに対応できるよう、少しずつ体制作りを進めています。現在、設備投資と同時に、勤務医の採用を検討しています。これまで院長である私1人で診療を行ってきましたので、歯科医師2人体制で行うことは初めてです。勤務医との間で、診療方針や患者さんの担当についてどう考えていくべきか、ポイントをお教えください。
──福井県・S歯科医院
A
  勤務医の採用を視野に入れた計画を行い、今後の歯科医院経営について積極的に検討できることは、大変好ましい状況と思います。
  院長と勤務医が、1つの診療所で働くにあたり、院長としての指示の仕方や診療方針の打ち出し方は、他のスタッフを採用する場合とは少し違う状況であると思います。
  勤務医を採用するにあたっては、臨床研修終了後の新卒歯科医師を採用するか、あるいは他医院での複数年にわたる経験を重視して、即戦力としての歯科医師を採用するかといった採用方針を定める必要があります。
  将来、勤務医とどのように院内での役割分担を考えるかということに影響してきますし、臨床経験の有無により、採用後の院内での研修内容や診療方針の策定に大きな影響を与えることになります。
  保険診療は勤務医に、自費診療はすべて院長が担当するという方針もありますし、新患はまず院長が診療し、ある段階で勤務医にバトンタッチするということもあります。先生が今後行おうとする方針によって、採用する勤務医の経歴も絞られてくると思います。
  採用後、勤務医に患者さんをみてもらうにあたっては、治療技術の水準を見極め、患者さんとどういったコミュニケーションを構築できるかを判断して、担当する患者さんを決めていかなければなりません。患者さんのなかには、非常に神経質に治療内容を確認してくる方もいれば、ちょっとした言葉のかけ違いで気分を害して帰ってしまう方もいます。とにかく、忙しくなったので勤務医を採用し、どんな患者さんでも担当してもらおうという姿勢は避けるべきです。
  患者さんから不当に批判を受けることのないように、歯科医院のリスクを回避するうえでも、どのような患者さんを院長が担当し、どのレベルまでなら勤務医が担当できるかについては、常に気を配らなければなりません。
  勤務医の採用は、歯科医院としてより多くの患者さんに対応できることに直結します。しかし、その反面、患者さんが自分の手から離れることで、思いがけない医療ミスなどに繋がる危険性はないか、常に注視する必要が生じます。
  また、給与体系については、医院収入の状況と切り離しては考えられませんから、固定給、歩合給のどちらを採用するにしても、医院全体の人件費のバランスを考えながら設定しなければなりません。歯科医師の場合は、他のスタッフと比べると給与水準が高くなります。給与の額に応じて、厚生年金保険などの社会保険料も増加しますので、毎月の資金繰りには常に目を通してください。
  勤務医を採用することによって、さまざまな点に気を配る場面が出てきますが、多くの患者さんに対応できるのは喜ばしいことです。診療方針を浸透させるために、常日頃から先生の考え方を伝え、お互いを尊重できる関係作りに力を注いでください。

門田 亮デンタル・マネジメント・コンサルティング

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