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Q&A
経営 (2012年3月号)
Q 患者確保に向けて取り組むべきこと
●周辺には競合する歯科医院が増え、私自身の年齢も上がってくると、なかなか前年度と同水準の収入実績を残すことが難しくなってきました。極端に収入が減少するということはありませんし、患者さんの数も激減したという感覚はありませんが、それでも徐々に収入は下がる傾向にあります。まだまだ現役で診療を続けたいと思いますが、これからの難局をどのように乗り越えていけばよいかをお教えください。
──和歌山県・S歯科クリニック
A
  先生ご自身の年齢が上がるということは、患者さんの年齢も徐々に上がってきていると思いますし、なかには不安がって、若い先生のところへ転院する患者さんがいたとしても不思議ではありません。立地条件がよければ、それだけ競って開業してくる歯科医院がありますから、競争も激しくなり、数年のうちに周辺環境というのは大きく変わるものでもあります。
  従って、これからも競争力を維持し、長く診療を続けていくためにも、強みとする診療内容をいま一度見直し、方向性を明確にすることが大切です。幅広い患者層を対象に、小児からお年寄りまですべてをみるということであれば、ゆとりある診療スペース等の設備の充実を図る必要があるでしょう。
  また、幅広い患者さんをみようとすればするほど、患者さん一人ひとりの要望や対応に気を遣う必要があります。歯科医院の診療方針にしっかりついてきてくれる患者さんから、何度お願いをしても無断でキャンセルしたり、遅れてきたりする患者さんまで、さまざまです。一人ひとりを注意深く観察し、かかわっていくことが求められます。
  多くの患者さんに対応しようとするあまり、あれもこれもと、ただ単に設備や診療内容を広げていくのではなく、あくまでも歯科医院の軸となる技術を柱として、それに付随するかたちで対応範囲を広げることが大切です。
  また、自由診療を中心に据えた診療を行おうとすれば、患者さんへの治療説明の時間は長くとる必要があるでしょう。その場合、患者さんも説明をじっくりと聞きたいと考えますから、落ち着いた雰囲気のスペースや部屋が必要になります。例えば、心が安らぐ音楽をバックに上品な絵が掛けられていたり、リラックスできる香りに包まれていると、患者さんも落ち着いて話を聞くことができます。
  すぐ横で子どもががちゃがちゃとおもちゃで遊んだり、大声で騒いだりする雰囲気では、自由診療を真剣に考える患者さんは敬遠してしまう可能性がありますから、対応を明確にする必要があります。このように、先生が考える歯科に対する考え方や方針といったものと、来院する患者さんが求めるものを合致させることが大切であり、そのことが患者さんの高い満足度にも繋がっていきます。
  更には、矯正治療等では専門医に紹介をして診療連携を行うことがありますが、インプラントの難しい症例等、自医院での対応が難しくなってきた場合には、対応可能な医療機関との連携を早期に作っておくことも必要ではないでしょうか。
  患者さんというのは、一度先生を信頼し、自分にとって心地よい歯科医院と感じれば、比較的継続して通院してくれるものですが、それでもその歯科医院に魅力がなくなれば、いつまでも通ってきてくれるものではありません。常に患者さんの要望と、歯科医院の方向性を合わせる必要があると思います。

門田 亮デンタル・マネジメント・コンサルティング

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