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Q&A
経営 (2012年1月号)
Q スタッフ定着の方策
●新しいスタッフを採用するのですが、なかなか長期に定着しません。なかには、採用して1週間も経過しないうちに、退職を申し出てくるスタッフもいます。退職理由を聞くと、「私には合わなかった」、「思っていた仕事と違った」というものが多いのですが、スタッフが定着するためにどういったことを行えばよいでしょうか。
──静岡県・Mデンタルクリニック
A
  採用したものの、仕事を覚える間もなく退職するということが繰り返されているようですが、現在勤務している他のスタッフに対してもよい影響がありませんし、募集コストの問題や、社会保険の加入・脱退手続きが煩雑になるだけという、非常に非効率な仕事に追い回されることになります。
  「私には合わなかった」あるいは「思っていた仕事と違っていた」といった退職理由を聞くと、応募者の仕事に対する安易さや、自覚のなさといった点を注目してしまいがちですが、歯科医院側としても、そういった応募者を採用しないようにしたり、あるいは採用通知を出した際に、応募者が仕事に対して責任を自覚できるように、対応をしっかりと行ったりすることで、早期退職のリスクを減らしたいところです。
 採用後、早い時期の退職ということから、採用面接の際に注意すべき点に絞り、今後行うべきこととして、以下のポイントを考えます。
1.面接時の説明を強化する
  面接を行う際に、先生の診療に対する思いや考え方などを、熱意をもって話をすることも重要ですが、応募者としては、「自分はどうなるのか」が一番重要な点でもあります。
  給与面の詳細な条件は当然気になるところですし、社会保険等の福利厚生面は充実しているのか、残業はどのぐらいあって、給与には反映されるのかといったことは、最も気にかかるところなのでしょう。
  それ以外にも、採用となった場合にはどのような仕事をするのかということを、具体的に説明をしておく必要があります。漠然とした説明が多いと、採用後になって「こんな仕事をするつもりはなかった」という結果に繋がるため、1日の診療の流れ、1人の患者さんへの対応の仕方などを、より具体的にイメージできるように話をします。
2.院内見学など、歯科医院の雰囲気を感じられる場をつくる
  仕事の内容を具体的に説明しても、初めて歯科医院の仕事に携わろうとする人にとっては、なかなかイメージできないものです。
  そこで、採用通知を出す前に、半日から1日かけて院内見学を実施したり、他のスタッフとの顔合わせの場をつくったりして、実際に同じ仕事に携わる者同士の目線で、仕事の内容を伝えていくことが大切です。
  見学を嫌がる、あるいは、見学を苦痛に感じるような応募者は、仮に採用をしたとしても長くは続かないでしょうし、見学をした時点で仕事との相性が合わないと感じて辞退する応募者もいます。従って、採用を急ぎたい状況であっても、見学の場を設けたいところです。
3.仕事の厳しい面を伝える
  人員がほしくて募集をするわけですから、応募者が1人でもあれば、すぐにでも採用したいところです。勤めてもらうために、どうしてもよい面や楽しい面を強調したくなりますが、あえて厳しい面や、携わる仕事の意味や重要性を十分に伝えておくことが重要です。
  また、人の健康にかかわる尊い仕事であると同時に、決して安易な、軽い気持ちでは仕事に取り組むことはできないことを、伝えておく必要もあります。「本気で仕事をしてくれよ、頼むよ」といったメッセージを伝えて、なお頑張ろうとする人は、仕事に対して高い意識をもっているものです。
  高みを目指して頑張るという、意識の高い人材を確保することが難しい状況ではありますが、安易に採用をして負担が増すばかりでは、歯科医院経営そのものが揺らぎかねません。よりよい採用活動を進めていくために、伝えるべきこと、提供すべき情報をしっかりと整理しておく必要があります。

門田 亮デンタル・マネジメント・コンサルティング

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