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2016年11月号 舌からの突然の出血
東森秀年 米田進吾
Hidetoshi TOHMORI Shingo YONEDA
国家公務員共済組合連合会
呉共済病院 歯科口腔外科
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図1 初診時の口腔内写真。右舌体から舌縁にかけて脆弱な血餅が形成され、血餅の辺縁からは持続的な静脈性の出血を認めた
図1 初診時の口腔内写真。右舌体から舌縁にかけて脆弱な血餅が形成され、血餅の辺縁からは持続的な静脈性の出血を認めた
図2 止血処置時の口腔内写真。血餅の下には30×12mmの潰瘍が認められ、出血点のすぐ中枢側を結紮し、一応の止血を得た
図2 止血処置時の口腔内写真。血餅の下には30×12mmの潰瘍が認められ、出血点のすぐ中枢側を結紮し、一応の止血を得た
a 右側舌体から舌縁にかけて、境界明瞭な軽度の造影効果を伴う像が認められた
a :右側舌体から舌縁にかけて、境界明瞭な軽度の造影効果を伴う像が認められた
 
b 両側顎下、上・中内深頸部に有意な腫大リンパ節を認めた。右上内深頸リンパ節は低吸収域を伴い中心壊死を疑わせる
b :両側顎下、上・中内深頸部に有意な腫大リンパ節を認めた。右上内深頸リンパ節は低吸収域を伴い中心壊死を疑わせる

図3 止血後の造影CT写真

患者: 77歳、男性
主訴: 舌出血
現病歴: 初診2ヵ月前から舌尖部にときどき疼痛を自覚するようになり、突然右舌体部より出血を認め、止血困難のため当院に救急搬送された。
既往歴: 59歳時、舌がん(T3N2cM0)にて放射線化学療法を施行した。76歳時に左大腿骨骨折、術後はエルデカルシトールを内服していた。また、喘息にてモンテルカストナトリウム、L-カルボシステインの内服、発作時にベクロメタゾンプロピオン酸エステルを吸入していた。
現症: 右舌体から舌縁にかけて脆弱な血餅が形成され、血餅の辺縁からは持続的な静脈性の出血を認めた(図1)。同部には30×12mmの潰瘍を認めた。舌の可動はやや不良で、軽度の発語障害が認められた。本人や救急隊員からの問診、救急搬送時に圧迫したガーゼに含浸した血液の量から相当量の出血が考えられたが、貧血や脱水症状は認めず、意識も明瞭であった。局所麻酔後、血餅を除去して静脈性の出血点を確認し、そのすぐ中枢側を周囲組織と一塊にして結紮することで一応の止血を得ることができた(図2)。
臨床検査所見: 血液検査にて赤血球431×104 /mm3、ヘモグロビン14.2 g/dLで貧血は認めなかったが、白血球10190/mm3、CRP 0.52mg/dLと炎症マーカーの軽度亢進がみられた。その他、異常所見は認めなかった。
画像所見: 造影CT検査にて右舌体から舌縁にかけて境界明瞭で内部不均一な低吸収域がみられ、辺縁部に軽度の造影効果を認めた。両側顎下リンパ節、上内深頸リンパ節、中内深頸リンパ節に直径10mm程度の複数の結節がみられた。また、右上内深頸リンパ節は低吸収域を伴い、中心壊死が疑われた(図3)。
最も疑われる疾患名は?
  1.舌咬傷
  2.舌血腫
  3.舌がんの晩期再発
  4.舌サルコイドーシス
ANSWER
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